カクタス長田ブログ

宇都宮県は実在していた

Kです。業務は大忙しだというのに週末にはまた栃木に行っていました。Hの知り合いのS先生がまた関東に見えていましたのでまたまた便乗させてもらいました。

なんとか沼のあたりの・・・
 

モウセンゴケ (Drosera rotundifolia)
 

もう冬芽姿ですね。いろは坂の紅葉は綺麗でしたが渋滞も核心的でした。

情報的に今回のヒットはアギナシ (Sagittaria aginashi)についてでした。水田雑草の門外漢としては知らなかったら絶対オモダカと思って間違いに気づきもしなさそうな所がすばらしい。当たり前の事ですが世の中知らない事だらけで楽しいものです。

そろそろ商品についてのエントリーも書かないとまずいよね的な雰囲気も感じつつ今回はこの辺で。

クビレのこだわり

筆不精の食虫担当Hです。

いや～何でも担当のKさんは凄いですねぇ、私の５倍以上ブログ書いてるんじゃないでしょうか？頭が下がります

まぁそれはさておき、今更ながら今年出荷したSarracenia　purpurea ssp.venosa をご紹介します。

昨年も出荷していたものは、性格はすこぶるいいのですが、質薄く、クビレ甘く、株元が疎。個人的にはイマイチな性質。旨みに欠けます

が、ブクブクと太り、あれよあれよとこれ位になります ↓

「でかけりゃいいのか」と思うタイプなのですが、これだけでかくなれば良いような気がしてきますね

↓ こちらは今年から出荷し始めた系統。同じくSarracenia purpurea ssp. venosaなんですが、こちらは質が硬く、クビレもハッキリしており、コンパクトにまとまり素晴らしいですただ３寸の企画ではイマイチ魅力が伝わらないのが難点（←商品的には致命的）

あまり大きくならない性質のようですがコンパクトにまとまる姿は秀逸です

「違いが分からん」って方の為に商品のサイズで並べて撮ってみました ↓

こちらは横からです ↓

去年から出荷していた系統が左、今年から出荷している系統は右です。比率は大体３：１位かな？

マニアな皆さん、お気づきでしたか？

涼しげなムシトリスミレの斑（暑がりますが）

煽てても何にも出てこないあたり、ブログのエントリー数とは逆に最近I/O比が若干高めななんでも担当のKです。

ムシトリスミレ 'セトス'  斑入り個体 (Pinguicula 'Sethos', variegated)
 

数年前、まだメキシカンピンギキュラ（熱帯高山性のムシトリスミレ）は全体的にアツい！と個人的に思っていた頃の記録写真。安定した白覆輪だったのですが秋を迎える前に土に還ってしまった遠い記憶。

ピンギを一般園芸の方に持ってくるのは不可能ではないと思いますが困難である事は確かです。諸先輩方が過去に何度も挑まれてきましたがうまく行きませんでした。一般的に求められる丈夫さをほとんどの品種が持ち合わせていないのが大きな原因である事を共通の認識にしてくれたという成果はあったと思います。

この手の地道な努力は時間がかかります。趣味ならばともかく業務としてそれだけやっていたのではご飯が食べられなくなってしまうのでいろいろとバランスを取りながら模索の道が続きます。

何にでも言える事ですが、色々とやっていてその過程を楽しめるというのも重要な要素かと。

ジェントルの話

寝ても醒めてもまだ眠い、食虫担当のHです。

長らくの沈黙すみません。出荷作業におわれてました。

ぼちぼち食虫の出荷も終わりがみえてきましたので、ぼちぼちブログでも書こうかな～ってことで今日は噂のウツボカズラ、’Gentle’をちょろっと検証してみます。

去年何度か「あのジェントルってミランダ？」って聞かれたことがあります。何だか変な方言みたいですね

答えはNOです。

右がミランダ、左がジェントルです。う～ん写真だと分かりにくいですねぇ

 
壷のアップです。同じく右がミランダ、左がジェントル。なんだかジェントルの方がすらっとした印象。

壷正面です。同じく右がミランダ、左がジェントル。ジェントルの方が唇がすらっとした印象。

いや～分かりにくいですえね

はい、これからもっと分かりにくくなりますよ～

 
右が入社時に弊社にあったジェントル、左が現在出荷中のジェントル。似ているといえば似てますが・・・色は違うし、右の方が剛毛感があります。葉っぱも違いますしねぇ・・・。

 
壷を横から撮ってみました。  右が入社時に弊社にあったジェントル、左が現在出荷中のジェントル。いや～、今後色が変わって、剛毛になるのでしょうか・・・？

こいつは一株位は大きくしてみないとダメですね

でも、見た目うんぬん以前に性格が全然違うんですよねぇ、この２つのジェントル・・・。

こいつは偽者掴まされたかな？それともこっちが本物？

どなたか、N.’Gentle'って何なのかご存知でしたら教えてくださいね

   

その後

その後植物園に寄り。来る度に感嘆するグンネラ (Gunnera manicata)

グンネラ科 (Gunneraceae)唯一の属です。G.mannicataは耐寒性があり常緑。日本で一般的に使うには大きく育ち過ぎますか。場所的な余裕があれば耐陰性も高くシェードガーデンで重宝します。

X Graptoveria なのは確かと思いますが何だこれ。

その後ドイツで仕事を済ませオランダへ。 

サラセニア 'ジュサティップ ソーパー' (Sarracenia 'Juthatip Soper’)

S. x mitchellianaの戻し交配の品種と言われていて、どちらかというとS. leucophylla寄りですが色素が良いバランスで発現しています。肥培管理を色々試験した結果この発色だそうで。すごいな。

ヘリアンフォラ (Heliamphora hyb. & H. nutans)

むぅ・・・気候が良いというのは絶対的なアドバンテージです。

ネペンテス・サンギネア (Nepenthes sanguinea?)

純系ではないかもしれませんが、それでも高山性ですので日本ではこうは育ちません。

しかしこういう現場を見ると実際頑張ろうと思いますね！

プルプレア入ってんだろ！！

「有言実行」

食虫担当Hです。

今度は早めに更新するってことで早速更新してみました

ですが、今回は残念なお知らせ・・・。

昨年出荷していたサラセニアのS. x farnhamii ( S. leucophylla x S. rubra) がすっかりこいつに入れ替わってました昨年混入していたあいつです↓

しかも、綺麗さっぱり全部

 
これはこれでなかなかコンパクトにまとまって良いのですが、S. x farnhamiiファンとしてはがっかりです

てなわけで、今年S. x farnhamiiはほとんど出荷されません

働き始めてわかりましたが、様々な事情でこのようなことが起こります。「市販されてるからいつでも手に入る」と油断せずに、お気に入りのこは出会えた時に連れて帰ってあげて下さい。

因みに名前はS. x farnhamii　’short’ だそうで・・・。もはやS. x farnhamiiじゃないと思うのは私だけでしょうか・・・？

ではでは、次回の更新は未定です

食虫植物出荷開始！！！

「美人は三日で飽きる」なんていう奴は美人じゃなきゃ三日もたないと思う

食虫担当Hです。

ご無沙汰してすみません。すっかり植物の不思議にとりつかれ、ブログの更新を忘れてました

食虫植物の出荷開始しました！もう本格的に開始して２週間位経っちゃってます（笑）すみません・・・。

で、今年はPinguicula  primulifloraの白花なるものを極々少量ですが出荷していますので今日はそちらを紹介いたします。

弊社のPinguicula primulifloraに個体差があることは以前紹介しました↓

ちょっとマニアックな食虫の話

http://www.cactusosada.com/index/2009/04/post-9831.htmｌ

 

その中のこんな感じの個体に「白花」のラベルを挿して出荷しています↓

写真じゃわかりにくいですが、ほんの～り紫色がのっているので厳密な意味では白花ではございません・・・。

が、通常の個体の花色がこんな感じなので↓

 こっちから比べると「白花」かなって感じの商品です。

極々少量の出荷ですので発見できたらラッキーです。来年花を見たら感想を教えてください。

それでは、次は早めに更新します（笑）  

サラセニアの花

多肉担当のKです。でも今日は食虫植物のエントリーです。

サラセニア・プルプレア 亜種 ベノーサ (Sarracenia purpurea ssp. venosa)
 

の花芽が上がっています。これは屋外管理している株です。毎年サラセニアの花は食虫のシーズン突入！みたいな時期と重なってなんだかテンションが上がる姿ですね。

↓開花するとこんな姿です。
 

サラセニア・フラバ (Sarracenia flava)は少し前から開花を始めています。
 

サラセニアは基本的には開花株の流通が大変少ない（開花時に葉はまだ鑑賞できない）ので、こればかりは実際に自分で育てないと楽しめない花です。ほとんどの種類が寒さにも強く、寒冷地でなければ周年の戸外栽培が超カンタンなので是非挑戦してみてください。気をつけるのは十分な日照と水が必要な事だけです。

春先にご近所の方からあらー変わったお花ねー！と注目される事必至です。

イトバモウセンゴケ (Drosera filiformis var. filiformis)
 

も休眠から目覚めつつ早速捕虫しています。葉の表面の黒い点々は虫です。すごいな。

（分類に詳しい方、"var. filiformis"の部分いらなくない？と思われたらそれはそれでごもっともなご意見です。でもあえてこうしてますのでその辺は察して下さい。）

弊社の多肉をご購入頂いてこちらを見て下さっている方、いつもありがとうございます。

そして食虫もまた楽しいものなのですよとお伝えするべくご紹介しております（笑）

オランダの食虫植物２

「好きな言葉は墨流し」　食虫植物担当のHです。

遅くなってしまい、申し訳ありません。引き続きオランダで見た食虫植物をご紹介いたします。

まずこちら↓

展示会会場に入るやいなや、サラセニアが飾ってありました。名前は・・・、すみません、うろ覚えですが、確か ’Green minor’ か ’minor Green’ とかでした・・・。「いや、rubra 入っとるやん・・・」なんて野暮なこと言うのは辞めておきましょう　Sarracenia minor も　Sarracenia rubra も好きな私としては、「どちらにも及ばず、でも、そこがまた逆に愛おしい」みたいな感じで好きです。因みに S. minor と S. rubra の自然交雑種に付けられた名前はS. x rehderi というそうです・・・、すみません、勉強不足で聞いたことすらないです・・・。

オランダの展示会に連れて行ってもらって驚いたのは、あちこちでサラセニアを見ることです。ウツボカズラよりもハエトリソウよりも見かけるんですよ、羨ましい限りですね

ほら、ここでも。

ほら、あそこでも。

ほら、S. purpurea ssp. venosaなんで浮いてますもん

どうですか？池にS. purpurea ssp. venosa浮かべてみては？

オランダでサラセニアが評価されている理由の一つに、私の勝手な想像ではありますが、耐寒性の高さがあるのではないかと思っています。緯度が高い国なのに路地植えにされてましたからね。

サラセニアとハエトリソウは耐寒性が高いので、路地で平気ですが、ウツボカズラはそろそろ保護してあげて下さいね。寒がりなんです（目標は、最低気温10℃！厳しい・・・）。ミミカキグサや、モウセンゴケ、ムシトリスミレは凍らない程度の保護をしてあげてください。

オランダの食虫植物

こんばんは、年々歯切れが悪くなっていく食虫植物担当Hです。

今日はオランダで見かけた食虫植物を紹介します。

まずはこちら↓

俗にいう’ヴェントラータ’です（←人工交配種にこんな名前をつけてもよいのでしょうか？）。Nepenthes ventricosaとNepenthes alata の人工交配種らしく、世界で一番働いているウツボカズラだと思います。うちが、「アラタ」の名前で販売しているウツボカズラも多分これです。因みにここでも「Nepenthes alata 」になっていました・・・

お次はこちら↓

俗に言う’ミランダ’です。交配親がはっきりと分かっていないようですが、N. 〔（northiana x maxima) x maximaではないかとか言われていたりします。「それっち、’オオイソ’やねぇ？」と思うのは私だけでしょうか？何はともあれ、壷は40cm近いです、流石はオランダ。真似出来る気がしません・・・。

で、最後は話題のこちら↓

’Rebecca’だそうです。もしこれが’Rebecca Soper’であると仮定すると、イギリス人がN.ramispina x N.ventricosaの交配して娘の名前を付けちゃった交配種です。以前カエンさんからご質問頂いたのは多分これのことだと思います。個人的には（←ここ重要！）うちが販売している’レッドアラタ’は’Rebecca Soper’ではないかと思っています。

以前も申し上げましたが、交配種は作出した本人にしか分からないと思っています。原種の中にも変異の幅があり、どのN.ramispina とどのN.ventricosaを交配したかも分かりませんし、複数の実生個体の中から選抜した１個体に’Rebecca Soper’という名前を付けているからです。いつの日か、うちが販売している’レッドアラタ’を持って、’Rebecca Soper’を作出した方に「これ’Rebecca Soper’？」と聞いてみたいですねどなたか、イギリスに行く機会がある方がいらっしゃったらお願いします