花も観賞できる食虫植物のムシトリスミレですが、一足早い春を感じてか弊社温室で一部の品種が花盛りです。
そのうちの一つ、ピンギキュラ 'アフロディーテ' (Pinguicula 'Aphrodite')
チェコで作出されたメキシカンピンギキュラ(熱帯高山性ムシトリスミレ)の園芸品種で、アグナタ(P. agnata)とモクテズマエ(P. moctezumae)という原種の交配種です。デジカメで正確に捉えることが難しいですが鮮やかな藤色の花弁と、花粉親の特徴である大輪さが相まって花物としては豪華に見える品種です。若干花茎が柔らかく伸びるのが欠点ですが、種子親同様に性質は強健で初心者の方にもお勧めできます。
最初に導入した時は特に気にもしていなかったのですが、弊社食虫担当が昨年気づきました。
「これって園芸品種のくせに結構個体差ありますよね」
おおっ、見てみると確かにそうですね。葉色もこんなに違う個体がありますし
弊社で栽培している中でもパッと見た所少なくとも5~6は顔の違う系統があります。正直かなりバラバラです。そしてそれぞれが違う良さを醸し出しています。
食虫の世界でも品種名は一応国際食虫植物協会という組織の元で登録制になっています。そしてアフロディーテという品種名は登録された正式なものです。しかし同品種内でこれだけ色々な系統があるのでは園芸的な意味で「品種」として良いのかどうか考えさせられます。しかも作出者の書いた紹介論文では「この時の実生個体群には特に特徴的な差がなかったので全部同じ(アフロディーテ)だよ」的な事が書かれています。
日本人的な感性を持って言うと、マイナーな植物でF1交配とはいえ一度くらい選別しても良かったんじゃないの、と言わざるを得ません。食虫植物に見られるこんなアバウトさは多肉植物にも見られ個人的に嫌いではないんですが、園芸植物としての発展性の限界を見るようでちょっと気になりました。
でもどの株もすごく丈夫で花が綺麗、という意味では変わりませんので、全くかまわないんですが。
今年小売店さんで見かけたら是非ぜひ育ててみて下さい。おすすめします。


















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